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ワイナリー紹介・おすすめ情報
2019/09/17 20:56
1.葡萄・ワインの起源と歴史
葡萄の原産地されているのは旧ソビエト連邦領とトルコの間の「コーカサス地方」で、そこからエジプトを経由して地中海全域に広がったと言われています。その後のローマ帝国の勢力拡大と一緒に葡萄の栽培・ワインの醸造も広がり、ローマ人たちによって東欧、イタリア、フランス、ドイツ、イギリス南部、オーストリアなどヨーロッパ全域へとワイン文化がもたらされた。ちなみに「世界最古のワイン」がつくられていたとされているのは現在のジョージアのあたりで、紀元前6000年前のワイン用の土器が発見されており、葡萄の皮や茎・種をそのまま粘土製の壺に入れて地中で発酵させるという方法だったと考えられている。
古代ギリシア時代・ローマ帝国時代のワインは、「水で割って飲むもの」だったのは驚きである。当時の醸造法では、葡萄果汁がかなり濃縮されて糖度が高まっていた一方で、発酵が十分に行われていないためにアルコール度数としては低かった。現代でいうアルコール度数の高い蒸留酒を薄めて飲むという感覚ではなく、「過剰な甘さのブドウジュースを飲みやすくするため」であったり、ヨーロッパ地域は硬水が多いので「飲みにくい水を飲みやすくするためにワイン・ブドウジュースで割る」という意味合いが強かった。
中世になると、ワイン文化はヨーロッパのキリスト教とともに醸造法も発展していき、その中核を担っていたのがキリスト教の教会・修道院でした。当時修道士たちが守ってきた葡萄畑・ワイン造りが継承されていき、現在でもワイナリーとして運営されているところがある。その後ヨーロッパ各国の植民地活動、キリスト教の布教活動が全世界的に広がっていくと共に、16世紀ごろに南米大陸(チリやアルゼンチン)、17世紀ごろに南アフリカ、18世紀以降にはオセアニア諸国、北米大陸へとワイン文化が広がっていくことになった。
「ワインは農業」
葡萄の栽培やワイン文化はその時代背景とともに世界中に広がっていった訳だが、たとえ同じ品種の葡萄であっても、同じような葡萄の実がなるとは限りません。その土壌特性や気候・日照時間などさまざまな要因が葡萄の実には大きく影響してくる。そこが「ワインは農業」と言われる由縁であり葡萄栽培の難しさ・面白さでもあり、現在世界中のさまざまな国や地域でワインが造られるようになり、その土地柄の特徴によってさまざまなワインが出来上がる「ワインの面白さ」と言える。
日本列島でのワインの歴史としては、縄文時代中期には葡萄果汁を発酵させたものが造られていたとされる。文献として残っているのは、15世紀ごろにはワインが外国から持ち込まれていた記述があり最古の記録だと言われている。江戸時代には、現代のワインではなかったが、果実酒・焼酎のような意味合いでの「葡萄酒」がすでに造られ始めていた。
日本で本格的にワイン生産が行われるようになったのは、西洋の文化が入ってきた明治時代・文明開化がきっかけとなっている。また西洋文化の流入という面とは別の歴史的背景として、この当時の日本は米不足であったことから「お酒の原料に使われる米」を減らして飲料用ではなく食用としての米作りを増やしたいという意向が強かったので、葡萄栽培を政府主導で奨励してきたことが挙げられる。本格的なワイン造りを目指してさまざまな取り組みが行われてきたが、まだ明治・大正の当時は日本の食生活・日本食にはワインが受け入れられなかったため、甘口で飲みやすい「甘味果実酒」としてのワイン造りが行われてきた。
ワイン用の葡萄栽培は日本各地で行われるようになってきたが、主な産地としては、山梨県・北海道・長野県・山形県が有名で、白葡萄では「甲州」、黒葡萄では「マスカット・ベリーA」が日本の固有品種として、「国際ブドウ・ワイン機構(OIV)」によってワイン用葡萄品種としても登録された。これによって品種をワインラベルにも記載できるようになり、「日本産ワイン」という認知度UPにつながっている。