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ワイナリー紹介・おすすめ情報

2019/09/17 20:55


2.ブドウ品種の違い・特徴

 イタリアは、日本と同じように南北に細長い地形・国土で、北はアルプス山脈・南は地中海に張り出しています。温暖で日照にも恵まれていたことから、ブドウ栽培には適した気象条件・土壌環境といえます。そのため、古くからイタリア全土でさまざまなブドウが栽培され、ワインも非常に多くの種類が造られてきました。
 イタリアの地域でブドウ栽培が行われるようになって数千年という歴史があり、国土も南北に長くさまざまな気候・土壌があったことで、イタリアにはその地域に根付いてきた非常に多くの固有品種・土着品種が存在しており、その種類は500種以上もあると言われています。これほどまで固有品種・土着品種が多く残ってきた背景には、イタリアが1800年代まで統一された国家でなく、ドイツ語も公用語として使われている地域があるようにそれぞれの歴史や文化が異なっていたためと言われています。
 イタリアのワインの特徴も、このブドウ品種の多様性・土着品種の多さにあり、ワインの奥深さや魅力を高めています。イタリア人が守ってきた土着品種への愛情からか、ワインの名称にもブドウ品種の名称が含まれているものが多いので、ブドウの名称とその特徴を少しでも覚えていければ、ワインリストの中からソムリエに頼ることなく、自分の好みの1本を探し出すことが出来ます。
 「カベルネ ソーヴィニヨン」や「シャルドネ」といったフランスに起源をもつような国際品種も含めて、ブドウ品種それぞれの特徴をご紹介します。


~ 白ブドウ品種編 ~



◆ヴェルディッキオ ・・・
 ヴェルディッキオも古くからマルケ州周辺で栽培されてきた品種で、海に面しており漁が盛んな地域でもあったことから、この品種は「 魚によく合うワイン・海のワイン 」とされてきました。現在では「 イタリア・マルケ州の白ワイン = ヴェルディッキオ 」と言われるほど、マルケ州を代表する重要なブドウになっています。マルケ州内で中心的な栽培地域は、紀元前からの港湾都市・アンコーナから少し内陸に位置しているイエージという町で古くは「 イエージ城 」というお城もあります。日本でもこのヴェルディッキオ種のメジャーなワインとして「 ヴェルディッキオ デイ カステッリ ディ イエージ 」がありますが、イタリア語訳では「 イエージ城のヴェルディッキオ 」で、いかに地元民から愛されてきたワインなのかということがうかがえます。
 ワインにすると、しっかりとした酸味と後味の心地よい苦みがあり、レモンや洋梨、アーモンドの風味などが感じられる魚料理との相性が非常に良いといえます。
 おすすめワイン ・・・ 
  ※ピエールサンティ社が「 これまでのヴェルディッキオを超える、100%美味しいヴェルディッキオを!」という情熱から
   生まれた、「 101%の出来映えのヴェルディッキオ」。


◆パッセリーナ ・・・
 『 多くの名前をもつ 古代の宝石 』と称される非常に古い時代からあるブドウでマルケ州・アブルッツォ州が発祥だと考えられていますが、その起源ははっきりとは解明できていません。名前の由来としては、「 実が小さくよくスズメが食べていた 」ことから付けられた(Passero…イタリア語でスズメ)。土着品種ですが、近年はこのパッセリーナ種を使ったワインも増えてきています。
 少し緑がかった軽いレモン色・ストローイエローのワインが造られ、洋梨や青リンゴのような柑橘系の爽やかな香りが特徴で、ミネラル感の余韻が残るフレッシュな口当たりになります。



◆ペコリーノ ・・・
 日本ではまだあまりメジャーな品種のブドウではありませんが、マルケ州・アブルッツォ州周辺ではよく使われている品種です。「 ペコリーノ 」とはイタリア語で「 羊のチーズ 」という意味があり、その名前の由来のひとつとして「 羊が食べていたブドウ 」という説があります。羊が食べるようなブドウは人間が食べるのは向いていないのではと思われていましたが、そんなブドウからおいしいワインが出来上がったことで返って注目を集めたようです。しかし、元々収穫量が少なかったこともあり1980年代後半には絶滅品種とまで言われましたが、フレンターナ社のように「 土着品種・伝統品種の保護 」という考え方が高まってきたことで、少しづつ生産量も増えてきています。ペコリーノ種で造られたワインはかすかに緑がかった淡いイエローで、フレッシュ感あふれる爽やかなシトラス系の香りと白桃や洋梨といった甘い香りが広がってきます。しっかりとしたボディながらも酸味は柔らかく味わい豊かなワインに仕上がります。


◆シャルドネ ・・・
 世界中の多くのワイン生産地域で栽培されているフランス原産のブドウ品種です。フランスのシャンパーニュ地方など冷涼な地域からカリフォルニアやチリなどの温暖な地域まであらゆる気候風土に対応できる万能なタイプのため人気の高い品種です。シャルドネはニュートラルな味わいのため、その栽培地域のもつ土壌や気候の違いを忠実に表現します。オーク樽との相性も良いためブルゴーニュ地方では特級畑のモンラッシェのようにの高貴で驚くような価格(1本50万円以上)の銘醸ワインも造られ、もう一方で1本500円以下の量産タイプの軽いワインまで様々なタイプのワインが造られています。またシャンパーニュにおいても白ブドウはこのシャルドネが99%以上を占め、スパークリングワインの製造においても必要不可欠な品種として重要な存在意義があります。
 香りや味わいも冷涼な地域ではレモンやハーブ、緑茶などが感じられ、温暖な地域ではパパイヤやパイナップルの香り、熟成によりバニラやバター、蜜の香りと木質的なスモーキーな香りなど多彩な香りや味わいが楽しめます。白ブドウの最高の品種としてその評価は揺るぎないものといえます。


◆ピノ ビアンコ ・・・
 このブドウもフランス原産で、比較的フレッシュ&フルーティな軽やかなワインが造くられます。ピノ種(ネロ・ビアンコ・グリージョ)共通の比較的冷涼な気候に適しているため、イタリアでも北部のロンバルディア州やトレンティーノ州で多く栽培されています。芳香性や味わいは淡く酸も穏やかなため他のワインとブレンドされ酸のバランスをとるなどの使われかたも多く、スパークリングワインのフランチャコルタではシャルドネの補助品種として酸を和らげる役割を果たしています。
 このワインの特徴は「特徴があまりないこと」とも言えます。イタリアではこのブドウ単一のワインはあまり多くありません。


◆ガルガーネガ ・・・
 ヴェネト州の主要品種で白ワインのソアーヴェで有名なブドウ品種です。ヴェネト州以外でも栽培されていますが、僅かな量しか栽培されていません。ペルゴラというこの地方特有の仕立てにより栽培され、樹勢が強いため量産型のブドウですが、グイヨーやコルドーネ スペロナート仕立など新たな栽培方法に取り組んでいる生産者も増えています。酸が強くきれいな果実味のため比較的軽やかなワインが造られますが、近年収穫量を抑えブドウの糖度を上げ、更にオーク樽を使って熟成させるなど、新たな醸造方法により構造のしっかりしたワインも造られています。
 麦わら色の淡い色調と青りんごや柑橘系の香とミネラリーな味わいと、アルコール度も高くないため、デイリーワインとして需要が多く、国内・海外でも人気が高いワインです。酸がしっかりしているので甘口のレチョート ディ ソアーヴェも造られています。


◆トレッビアーノ ・・・
イタリア中部を中心に多く栽培され、白ブドウでは国内最大の生産量を誇ります。フランスではユニ ブランと呼ばれコニャックの原料用としても栽培されています。名前の由来は諸説ありますが、エミリアロマーニャ州のコッリ ピエチェンティーニ地区に流れるトレビア川との説もあります。量産型の品種のため、ワインは軽いタイプが多く、赤ワインのキアンティのタンニン(渋み)を和らげる補助品種としても使用されています(但しキアンティ クッラシコでは認められていない)。トレッビアーノはその亜種も多く、トレッビアーノ トスカーノ、トレッビアーノ ディ ソアーヴェ、ヴェルディッキオなど多くの亜種が確認されています。
 芳香性や味わいはおとなしく酸が強いため、ラツィオ州やウンブリア州ではふくよかな味わいのマルヴァジアとブレンドされることが多くみられます。


◆マルヴァジア ・・・
 マルヴァジアは多くの亜種が世界各国で栽培され、白ワイン、発泡ワイン、甘口ワイン、酒精強化ワインと様々なワインが造られています。イタリア国内でも北部フリウーリ州でマルヴァジア イストリアーナ、中部ではマルヴァジア、トスカーナなどが栽培され、多様な個性を持つワインが造られています。イタリア中部では単体ではなくトレッビアーノとブレンドされ、比較的軽やかなワインが多く生産されています。


◆ココッチオーラ ・・・
 ココッチオーラはアブルッツォ州近郊でわずかながら栽培されている白ワイン用地ブドウです。ココッチオーラの起源はまだ証明されていませんがアブルッツォ州のキエティの小さな町であるロッカ サン ジョバンニが原産地である可能性が示唆されています。以前はソーヴィニヨン ブランに似た強い酸と草のようなグリーンノートの香りがあり、やや青っぽいイメージがありましたが、近年は栽培方法の改善によりフルーツや花の香を持つように改良されています。以前はバランスの取れたワインを生産するために他の品種とブレンドされていましたが、近年その品質が評価され、ココッチオーラ単一のワインも多く造られるようになりました。
 透明感と輝きのあるレモンイエロー。柑橘系の爽やかな香りと白い花を思わせるフローラルな香りが特徴。軽やかな酸味が全体を引き締め、口当たりの良いワインとなります。


◆ピノ グリージョ ・・・
 フランス原産の葡萄で果皮の色は赤茶色に近いが、白葡萄と黒葡萄の中間的な存在のためイタリア語でグリージョ(灰色)と呼ばれています。現在その研究によりピノ ノワールの突然変異品種であることもわかりました。比較的冷涼な気候を好み、北部のフリウーリ州やトレンティーノ州で多く栽培されていますが、現在は中部や南部の州でも栽培されるようになりました。フランスのアルザス地方ではボディのしっかりした重厚なワインも造られますが、世界的にはフレッシュ&フルーティーなワインが多く造られています。
 洋梨や黄桃の香りとミネラリーな味わいと適度な酸味がバランスをとっています。イタリアでは酸をしっかり残すため、やや早めに収穫することがあります。


◆パラグレッロ ビアンコ ・・・
 パラグレッロ ビアンコが使われていたのは、17世紀の中期頃と言われています。1863年にフィロキセラ(害虫)による大規模な災害が起こり、ほとんどの木が枯れたことで絶滅した品種とされました。1990年代に入り、放棄されたブドウ園で自生している木が発見されました。絶滅寸前の古代品種を復刻すべく、ALOIS社は自社のブドウ園で栽培から醸造までを行っています。
 藁のような黄色とリンゴ、洋ナシ、パイナップル、メロンの香が強く、最後にアプリコットの渋い風味を伴う酸味と長い余韻が特徴のバランスよいワインが造られます。イタリアでは2000年代に入り地場ブドウ品種回帰の傾向が顕著になり、パラグレッロ ビアンコのような古代品種にも大きな期待が寄せられています。伊ガンベロロッソ誌での評価も高く注目の白ブドウ品種といえます。


◆フィアーノ ・・・
 フィアーノはイタリアの白ワイン用ブドウの代表品種で、おもにイタリア南部のカンパニア州やシチリア州で栽培されています。アヴェッリーノ県の一帯ではとくに有名で代表的なワインがフィアーノ ディ アヴェッリーノです。イタリア以外では、オーストラリアやアルゼンチンのワイン生産者がこのブドウの栽培を始めており、生産量は世界的にも増加傾向にあります。フィアーノはローマ人のあいだでウィーティス・アピアーナ (vitis apiana) と呼ばれていたブドウと同じとの説があります。アピアーナの語源はラテン語の蜂(apis)からとっており、今日でも糖度の高いフィアーノの果実に蜂がさかんに寄ってくる光景はアヴェッリーノ中のブドウ園でよく見かけられます。フィアーノの果粒は小さくて果皮が厚く、通常は果汁がきわめて少ないため、ブドウ本来の収量の少なさとも相まって栽培するには採算性が低いことから栽培農家が多くありませんでした。
 フィアーノは淡い麦わら色で花や蜂蜜の香りが熟成につれてナッツやスパイスの香りが増し、その強い風味と酸味により熟成にも耐えられる高貴な品種として評価され、栽培農家も増えています。今後フィアーノから造られる高品質なワインが期待されています。


◆ファランギーナ ・・・
 ファランギーナは1825年に発見されたブドウ品種で、現在はカンパニア州に広く普及している品種です。ローマ帝国時代から栽培されていたとされるプロチダ島やフレグレイ平原、サンニオ地方などが理想的な土地といわれています。名前はラテン語の「phalange」に由来し、「杭や棒などに結ばれた」という意味があります。色はきれいなストローイエローでやや濃いめの色調です。香は繊細で青りんごや洋ナシ、石灰を思わせるミネラル香も感じ、やや辛めながら豊かな果実味により柔らかく口当たりの良い味わいです。
 ファランギーナで造られるワインは非常に多彩で、合わせる料理もシーフードのみならず、野菜料理やピッツァ、白身のお肉との相性も良く、料理とのアビナメンテ(マリアージュ)を楽しめるワインとして人気のブドウです。
 






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